残業代は賃金と解されており、その消滅時効は、2年とされています。もっとも、今からちょうど2年前の分からしか請求できないというわけではありません。消滅時効というのは、残業代が請求できる日から起算されます。したがって、通常であれば、給料日に残業代も支給されるので、給料日から起算して2年で残業代が消滅時効にかかるということになります。したがって、仮に20日締め、25日払いの給料の場合、2014年3月4日時点においては、3月25日の給料日に支払われた残業代までが請求可能となり、2月21日から3月3日までの残業代も請求することができます。
また、従業員の要請を無視して、会社側が残業時間の管理制度自体を整えない、などの労働管理がずさんで異常な事態にあるような場合には、賃金という性質はもとより、不法行為としての損害賠償としての性質も有することになります。仮に不法行為といえるような場合には、消滅時効は3年となります。不法行為の場合には、日々損害が発生していると考えるので、請求から3年前の時点からの請求しかできないことになります。なお、賃金の消滅時効は条文として明文で規定されているので、これが適用されないとするのは、かなり異常な場合に限られるので、よほど悪質なものでない限り、2年と考えておいたほうがいいでしょう。