残業代が支払われていないのですが、営業手当として5万円の支給を受けています。上司に尋ねたところ、残業代の代わりだといわれたのですが、私は残業代を請求することはできないのでしょうか?

基本給のうち割増賃金に当たる部分が明確に区別されて合意がされ、かつ、労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されている場合にのみ、その予定割増賃金分を当該月の割増賃金の一部または全部とすることができるとした最高裁判例があります(最高裁昭和昭和63年7月14日)。すなわち、たとえば営業手当や管理手当が支給されていても、割増賃金であることを明確にして支給しておかなければ、それを残業手当とみなすことができず、営業手当等とは別に、残業代を全額請求することができます。また、定額制であるとしても、低額給のうちどれが割増賃金にあたるのか明確でなければ、割増賃金の請求をすることができます。結局のところ、割増賃金として支払われていることが明確でない限り、割増賃金請求権を失わないことになります。
近時、最高裁では、基本給を41万円とし、1か月あたり180時間を超える労働があった場合には基本給を増額し、140時間を下回る場合には基本給を減額する約定がなされていた場合であっても、結局法定労働時間を超え、180時間に満たない部分について、いまだ残業代が基本給のうちいくらであるのか不明確であるとして、法定労働時間を超え180時間に満たない部分についての残業代を認める判決が出ました(最高裁平成24年3月8日)。最高裁は、割増賃金の固定支払について厳格な態度をとり、残業代について労働者に支払うことを求める姿勢といえるでしょう。

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